正書法

内容だけに集中したいときには形式の不定性が鬱陶しく感じられる(だからWYSIWYGよりもWYSIWYMの方が優れていることが多い)。というわけで、日本語のMy正書法を策定するための情報源を整理しておく。 文化庁 国語施策 公用文作成の考え方 敬語の指針 医学 I…

脳神経は脳から出る……?

「脳神経は脳から出る末梢神経である」と思っていたら、「副神経[XI]には脊髄根があります」と言われて、あまりにも爽やかな矛盾の色合いに唖然としてしまったのを今でも覚えている。それにしても、無事に進級できたからこそ当時のありとあらゆる困惑が良…

なぜ演習は重要なのか

数日前に考えていたことを(ほぼ)そのままメモしておく: なぜ演習が大事なのかという点については色々と考えることが多かったけど、まず科学やあるいは学問一般という営みはホモ・サピエンスの認知能力に大きな制約を受けているので、学問上の正しさを認め…

20230922

Un jour, si ce ciel m'oublie, À ce moment-là, j'attendrai la neige quelque part, Les saisons nous surpassent, mais les souvenirs restent immobiles, Comme une fleur d'hiver なぜか訳したくなった。

symmedianの語源について

本稿は、湧源クラブの機関紙 Le puits des puits(1 号)に寄稿した記事です。 概要 “symmedian” という用語は,1883年にフランスの数学者モーリス・ドカーニュ (Maurice d'Ocagne) によって “la droite symétrique de la médiane d'un triangle par rapport…

Davenport図の緩衝線

久しぶりに記事を書いたので,この前ボロン・ブールペープ生理学を読んで思ったことを記しておく: 緩衝価は明確にpHに依存しているが、閉鎖系ならさまざまなpK値を持つバッファーが含まれていれば(単一バッファーではpH=pKで最大値を取る左右対称のベル型…

古賀真輝『数学の世界地図』をご恵投いただきました

数ヶ月前に上梓した『船旅』を古賀先輩に献本したところ,先日『数学の世界地図』をご恵投いただきました.誠にありがとうございました. www.kadokawa.co.jp 私自身は数学を専攻したわけではありませんが,僭越ながらいくつかの感想を記させていただきまし…

ハリソン物語

georgebest1969.typepad.jp georgebest1969.typepad.jp 人間のあるべき姿を垣間見れてよかった.

血管抵抗と血圧とヴォイス

医学書で行間を埋めるっていう行為を要求されるのはなかなか新鮮な気分だった.昨日考えていたのはこの一節: 血管床の抵抗の増加・減少は,その血管床内の血管内径の縮小・拡大を示す.しかし,この血管内径の変化が,どの部分で,どのような機序で起こった…

アカデミック・ルッキズム

数学の理論には明白なルッキズムがあると言えるかどうか。私は言えないと思う。だって、圏論ってルッキズムの対極みたいな考え方に依拠してるじゃないですか(?)。ルッキズムっぽい数学……初等幾何学! でも、やっぱり数学の美しさって、その機能にあると思…

長話と論理関係

会話を事象の記述の羅列だと捉えたら、それが独立に語られる限り、話が長くなればなるほど(確率は $[0,1]$ なので)蓋然性が広義単調減少していくから、長話は嫌われるんですね。というわけで、接続詞を積極的に使って論理関係を明示していくと、そこが上手…

マサイアス「ブルバキの無知」

doi.org 今日はこれを読んでいた。加筆版が渕野先生のページで公開されている。 Mathias 氏がそんなことを論じていたとは知らなかったので、さっそく読んでみたが、本当に『集合論1』の前書きに目を通したのか疑わしいと思ってしまった。それにしても、ここ…

ウズウズしていた期間

「数学の勉強をしたくて入ったのですが、授業は哲学や数学基礎論ばかり。最初の2年間はウズウズしていた期間でした」 いや、こういう大学が、日本にもいや世界にも一校ぐらいあってよいと思いますよ。このたとえは、階層性の観点からは少し外れていますが。…

多義性解消としての圏点

圏点(傍点、脇点)とは、「文字のそばに付けて注意を促したり、その部分を強調したりするしるし」(JIS Z 8125)のことであり、そのしるしとして一般には⟨﹅⟩が用いられます。ここで、小学生の頃から疑問に思っていたこととして、文脈に照らし合わせればど…

T さんとの四年ぶりの邂逅

先日、T さんと四年ぶりにお会いできました(といっても、その前にも別人の T さんとも一年半以上ぶりにお会いしたのですが……)。東京駅に集合したのですが、私はあまり詳しく探検したことがないので「丸の内地下北口」がそもそも存在するかわからず、急停車…